「お、コイツ、できる…」。そう読み手に思わせたい人が最初に手に取る本
マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。 [ 山口拓朗 著 ] 書評
マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。 [ 山口拓朗 ] 価格:1,540円 |
【私が読んだきっかけ】
一応私も文章で10年以上飯を食っていましたので、それなりに名文家という自負はあるわけです。いわゆる文章術的な本を読み漁るのは、書き手であり続けるための「他流試合」という位置づけ。本書もその一つです。
【この本を手に取るべき人】
・文章を仕事にしたいけれど、基礎に不安がある人
・文章にひと工夫をして「お、コイツ、できる…」と読み手に思わせたい人
【書評】
「文章を仕事にする人の出発点に立った」1冊
本書では文章に工夫を凝らすための数々のフレーズが紹介されています。どれも非常に実用性の高いものばかりです。
ただ正直、一定レベルの書き手の視点から見ると非常に物足りない。有り体に言えば、本書のフレーズを自由自在に使えるようになって初めて、「文章を仕事にする人の出発点に立った」と言える程度でしょう。
私の古巣の新聞社の本社報道部の記者で、本書の内容が頭に入っていない人は多分いません。それくらいの「基礎中の基礎」です。それは著者の山口さんも認めるところです。
ただ、それを以て本書を「取るに足りない一冊」と断じることはしません。と言いますのも、世の中の80%は本書で紹介されている表現を使いこなせていないからです。
私は転職エージェントや経営コンサルタントとして、年間1000人ほどの求職者や経営者と文章でやり取りしておりますが、地方の若手記者未満の文章力の方がほとんど。上記の「80%」はその体験からの推測値です(あくまで文章力の話で、その学力や能力、実績を否定しているわけではありませんので、悪しからず)。
すなわち、本書の内容を完全インプットすると、世の中の上位20%に入り、文章で身を立てるための基礎が出来上がるのです。これに価値を感じる人は本書を手に取るといいでしょう。
語彙を増やし文章に味を出す「類語検索」
最後に、私が語彙を増やすために日常的に行っているtipsを一つ、ご紹介します。
それは「類語検索」です。例えば、「魑魅魍魎」を別の言葉で言い換えたいとします。
グーグル等で「魑魅魍魎 類語」と検索してみましょう。類義語として「妖怪変化」、「百鬼夜行」、「異類異形」などが出てきます。これら類義語を、全体のリズムや構成などに応じて使い分けることで、文章に味が出てきます。
山口さんの本で基礎的語彙力を身につけたあとに、お試しください。
マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。 [ 山口拓朗 ] 価格:1,540円 |