メールにかける時間を劇的に短くする「読み方・書き方」
仕事ができる人は実践している!ビジネスメール最速時短術 [ 平野友朗 著 ] 書評
仕事ができる人は実践している!ビジネスメール最速時短術 [ 平野 友朗 ] 価格:1,738円 |
【私が読んだきっかけ】
大学の先輩であり実業家の先達である平野さんの本は基本的にチェックしています。平野さんの著作はこれで34冊目。今回は実践的要素を多く盛り込んだということでしたので、楽しみにページを開きました。
【この本を手に取るべき人】
「メールに時間がかかっているな」と自覚がある人は読んだ方が良いでしょう。例えば、送った後に相手方から質問の電話を多く受けてしまう人、メールのやり取りが1、2回で終わらない人です。この時間が減るだけで、貴方の生産的な時間は激増します。
【書評】
書く以前に必要なのは「読解力」
「ビジネスメール最速時短術」。このタイトルを見て、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。きっと効率の良いメールの書き方だったり、タイピングを速くする方法だったりを思い浮かべるかもしれません。でもそれは時短の本質ではないのです。
書く以前に必要なのは「読解力」です。それも、単に意味を理解するのではなく、その裏にある願望までも把握することで、メールにかける時間は劇的に短くなります。
例えば、メールの内容を確認する回数、逆に確認される回数が増えることで、これまで3~4往復かかっていたメールのやりとりが1往復で済ませることができます。タイミングを速めたり、単語登録やテンプレを充実させたりするよりよっぽど時短になるでしょう。
では読解力を高めるにはどうしたらいいか。平野さんが本書で勧めているのは、「要約して理解する」です。
例えば、改行のない長文の、まるで黒海苔のようなクレームメールが届いたとします。読む気にもならない印象を受けてしまうこんなメールも、まず箇条書きで整理することで瞬時に理解しやすくなります。
ちなみに、相手からのメールに書かれていることを全て事実だと思うのも危険です。
先のクレームメールで、「クレジットカードで払ったのに商品が届かない」といった内容の記載があったとします。
それに対し、「クレジットカードで決済いただいたのに申し訳ございません」と安易にお詫びしてはいけません。まず、本当に決済が完了しているか確認する必要があります。
お客さんからの情報のみで「事実」と判断すると、誤った事実をもとに行動することに対応することになります。結果、「不確定な情報をもとに対応する会社」、つまり、「ずさんな会社」と言うレッテルを貼られかねません。エビデンスに基づき事実かどうかを一つずつ確認していく作業が必要です。
相手に簡単&迅速に読解してもらえる「書き方」
逆に、こちらからメールを打つ場合も「分かりやすさ」、つまり相手に簡単&迅速に読解してもらえるような工夫が必要です。
効果的なのは「テーマや結論を冒頭に書く」こと。これがあると、相手も「今回はこの話がテーマなのね」とマインドセットできますから、理解度が高まります。
一番良いメールは、質問がなく「承知しました」などと、承諾を得た旨の返信があるメールです。余計なメールのやり取りを続けるほど時間がかかることはありません。
書く時間は数分で済んでも、相手が必ずしもリアルタイムでチェックできるわけではないですから、週末を挟めば2,3日のタイムラグが発生します。
つまり、先週のうちにカタがついていたタスクが、今週になっても終わっていないという悲劇が起こり得るのです。これは非常にムダです。
では、質問が来ないようなメールはどう書けば良いか。
それは質問を受けそうな項目を先回りして記載しておくことです。いわゆる5W1H、6W3Hを満たした内容を書いておけば、質問を受ける可能性は激減します。
レイアウトも工夫しがいがあります。内容自体は良くても読みづらくては相手の理解度が下がります。特に、「1文が長い」、「行間が詰まり過ぎ」、「誤字脱字が多い」はその典型で、相手の読解スピードを著しく削ぎます。
【まとめ】
本書では他にも、メール処理を迅速に行う方法や、入力を徹底的に効率化する方法、開封率を上げる件名のアレンジ法などを紹介しています。本書のノウハウを全てマスターした場合、年間200時間の業務の無駄が減らせるそうです。プライベートにも活かせれば貴方の可処分時間は劇的に増えますね。
「やりたいことが沢山あるのに、忙しくてできない」とお悩みの方、本書を是非、手に取ってみてください。平易な表現で書かれているので、30分~1時間あれば読めます。それに見合う以上の効果を実感できるでしょう。
仕事ができる人は実践している!ビジネスメール最速時短術 [ 平野 友朗 ] 価格:1,738円 |